CFDを用いた未破裂脳動脈瘤観察研究

くも膜下出血になった患者さんの破裂脳動脈瘤を評価しても,止血血栓の影響が残っていたり,頭蓋内圧が高かったりして,未破裂のときとは形状が異なる可能性があります.そこで,破裂していない状態の未破裂脳動脈瘤を数値流体力学(computational fluid dynamics, CFD)で評価し,将来にわたり経過観察することで新しい破裂リスクの評価を行うという試みが2年前からスタートしました.

同じ画像診断装置で,同様の手技で撮影し,再構成関数や出力方法まで統一した形状獲得を行うことで,質の高いCFD解析が可能になります.

さらにAspect ratioなどの形状パラメータは3次元形状で定義し,血行力学的パラメータは現在まで脳動脈瘤の研究で報告されたものに加え独自に開発した指標を評価します.これらを自動計算するためのアルゴリズムも完成しました.また喫煙歴などのリスクファクターなどについても検討します.将来,日本の標準的医療に組み込むためには,理論に基づいた解析が必要で,これらの準備にずいぶん時間がかかりましたが,ようやく納得のできる形になっています.

大きさでしか評価できなかった将来の破裂リスクを,形に基づく血行力学を用いて,ひとりひとりで正確に評価できる...

患者さんに

「この脳動脈瘤は少なくとも3年は破裂しないので,慎重に経過をみましょう」

「半年以内に30%の確率で破裂すると考えられるので,今月中に治療しましょう」

と説明できるまで,あと少しのところまできたと感じています.


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